Eno.28 幸村ケイスケ

■ 魚がねえ!体も動かねえ!

うーん、こりゃ困った。
岩場で何してもめぼしい魚がいない。銛持って潜っても、釣竿使っても釣れねえ。
そしてこの体の調子。
動こうと思ってもなんか面倒くささが勝った?
嘘だろ?俺が?マジで?
そのくせ頭は変に働くようで…まーた、過去の事を思い出した。

中学の終盤は受験ムードっぽくてさ。あんまり遊ぶに遊べねー!勉強かよー!ってなってた。けど、受験勉強に強いタイプだったっぽくってさ?高校にはある程度余裕で入れたんだよ。
俺の友人…貴志と一緒にな!
知らねーやつしか居ねえ、ってなると怖いからなホント。
ん…?あ、でも今は話せてんだよな?あの島の方々と…そー考えると、放り込まれるとなんとかなんのか?

んでそうそう、俺はさ、所謂高校デビュー、って奴をしたくてさ…なんか黒くてチェーンの付いたゴツいイヤリングを買って…

どーよ?イメージチェンジってやつ!


いやさあ、なあ、ケイ、…正気か???


いやうん、マジで髪染めても許されてるの自分でも分かんねー!?いや、いや!できるの嬉しいんだけどさ!?いや、いやいやいや???いやいいのか?染めた瞬間やっちまった…ってなったけど寛容過ぎねーか!?いや、だからこそなのか?

いやまあ、そうしてやたらとチャラいやつ、って印象で高校生活は始まった、的な?