Eno.223 九尾のキメラ『シャハル』

■ 落下

今日もキメラは自由に飛んでいます。飛んでいます。飛んでいます。

飛んでいま、した。どうもなにか大きなものとぶつかったようで、
翼は折れてしまいました。バランスを崩してぐるぐると落ちて、
そしてどしーーーーーん!!!と着弾したのです。

「プルルゥ」と全身を振りながら、まとわりついた砂を飛ばします。
辺りを見回せば全然知らない島の砂浜。

「ソンニャー」なんて声をあげて、折れた翼をしょんぼり畳み。
「まいっかあ」と呟くと、のしのし歩き始めました。

シマナガサレ、始まります。