Eno.41 カーシー・バクスター

■ 眠りながらおもうこと

お母さんもお父さんも元気かなぁ。

僕が迷子になってからしっかりと時間が過ぎた。
この場所と僕の故郷がどういうふうに繋がっているのか、
時間は同じように流れているのかわからないけれど……
もし、同じように時間が流れているのだとしたら、
僕は沖に流されてそのまま行方不明ということになっているんだと思う。

お母さんもお父さんも心配して、
海から帰れずにずっと探しているんじゃないのかとか、
お店どうするのかなとか、
学校はどうなっちゃうのかなとか、
考えることがたくさんある。

お母さんによしよしってしてもらいたい。
お父さんにおかえりって言って欲しい。
ここにいるみんなはとても優しいけれど……別れたくないけれど。
でも、やっぱり家に帰りたい。

ベーグルみたいなきのみはパンみたいな味がする。
お母さんが焼いたパンが食べたいな。
ベーグルもいいけど、クロワッサンとか、食パンとか。
バターを付けて食べるんだ。


船、本当に通るのかな。
島、まだ沈まないよね?
船に乗れたら、みんな帰れるんだよね?