Eno.125 仔間長 梓

■ 漂流3日目

最初にこの島に来たとき、皆が流れ着いた砂浜は
誰が言い出すでもなく自然と溜まり場になっていた。

今日私が探索を終えて浜に戻ると、そこには赤い
血に塗れた3人と打ち上げられたサメの姿が……。

「いや、単に仕留めて解体中だっただけだがね。
 返り血だと思ってなかったから、血の気が引く
 思いだった……というか実際に気絶したからな。
 目覚めてからも酸鼻極まる惨状に嘔吐したり、
 みっともないところを見せてしまったな……」


それはさておき、私はこの島に漂着して以来ずっと
働いていないと落ち着けなかった。流されて溺れた
恐怖はすぐにフラッシュバックするし、忘れようと
作業に没頭すれば周りに心配をかけることもあった。

だけどラートくん、フェリくん、サナさんと膝を
交えて話し合う機会に恵まれた。お陰で昨日ほどの
どうしようもない不安と焦燥は少しだけ落ち着いた。

「克服したわけじゃないよ。きっと明日の朝も
 汗の冷たさと心臓の怯懦で目が覚める。
 目を逸らすために集中し過ぎるのも治るかは
 怪しいところだ」


「……だけど、うん。心配してくれる人がいる。
 分かち合える人がいる。いるってだけで全然
 違うんだ、変わってくるんだ」


皆の為に頑張る、じゃなくて。
皆がいるから頑張れる。そうなれたらいいな。

「それと。やっとでお風呂に入れたよ」



◼︎地形メモ(改訂)
・砂浜
→色んな素材が満遍なく拾えて漂着物も多い。
 でも食料だけは安定して得られないかも。
 釣竿があるか運良くサメが打ち上げられたら別。
・森林
→木材と食材がたくさん。木の実は概ね安全。
 野草は一部注意。ハーブ風の野草は傷を癒す?
 焼き菓子風の木の実は口の中が渇く。
・岩場
→石材プラ材金属材が集められる。海産物も豊富。
 特にプラ材は水汲みに必要なので重要度が高い。

◼︎レシピ(改訂)
・火口→種火→焚火
→刃物、他着火に使えるものと燃えるもの。
 主に木材か落ち葉。落ち葉は早く燃えるが
 濾過器にも使うし量が少ないので非推奨?
→特に種火を作るには結構な時間が必要。
 一度焚火にまで成長すれば木材を燃やして
 追加の火を確保可能。
・(海水/雨水/泥水)→飲料水
→海水と雨水は焚火と蒸留機器で蒸留すると真水に。
 1番安全な飲料水だから積極的に使いたい。雨水を
 貯めるより海水の方が楽? 容器になるプラ材必須。
→泥水(と雨水?)は濾過器で濾過水になる。
 真水ほど安全ではないけど、まあ飲める。
・研いだ刃物(傷んだ刃物+割れたスレート)
→鉄の斧の材料になる。材料は両方砂浜に漂着。
 刃物として使うなら足跡ナイフでも良い。
 木材+プラ材+鋭利なもの(ガラス片や金属材)。
・石の斧(石材+木材、刃物を使用)
→木材の伐採に使える。小屋を作るなら先に。
・蒸留器
→プラ材+焚火+海水+容器(ドラム缶/タライ)。
 真水のために優先的に確保したい。
・濾過器(石材+布材+プラ材+砂利+砂+落ち葉)
→全エリアを満遍なく回らないと作れない。
 刃物も作るのに必要で結構手間がかかる。