Eno.361 使命を失った陶器

■ 仲間たちの記録

・理子

私のことを「ベンキ」と呼ぶ聡明な人間。
私を仲間と認め、写真まで撮ってくれた。
この光景を私は一生忘れることはないだろう。

・キャロン

共同戦線を張ることになった、明るい色の明るい竜。
木を伐り、枝を払い、木材にする手腕は素晴らしい。
彼が居れば、我が国の林業が抱える問題も解決するのではないか。

・ドクター

人間かどうかも分からない風貌だが、実に献身的な人間性。
的確な判断力と人望は、私の工房の長を思い起こさせる。
私もかくありたいものだ。



総じて、器物である私をないがしろにしない人物ばかりである。
彼らが私のマスターであれば、付喪となって百鬼夜行することにもならないだろう。

とはいえ、彼らとはまだ関わり始めたばかり。
これからも関係性を築く上で、評価や印象が変わることもあるだろう。
故に、今の率直な感情を、ここに記録する。