Eno.255 ぜろ

■ 流れついた日

見知らぬ場所へ流れ着いた。
何があったのかも覚えていない。

……おれは誰なんだろう。
それすらも分からない。

名前がないということは、自己を定義できないということだ。
だから、まずおれはおれに名前を付けた。

ぜろ。何も覚えていないから、きっとちょうどいいと思って。

……ここから脱出できれば、何か分かるのだろうか。