Eno.30 グリンコット

■ メモ④

…………。
なーんか身体が重いな。
動くのも億劫になって来やがった。
やっぱこんな野晒しの環境はダメなンだな。
俺っつー生き物は潔癖らしい。俺が思う以上にだ。

楽しーんだがな。
……あァ、認めるさ。 楽しいよ。
今まで一番楽しい……かどうかは流石にわかんねーが
少なくとも今が一番肩の力抜いてるね。

思えば素の自分なんて他人に晒すこともあんまりねェわ。
『是非。コレコレこんくらいのカネを出しますので我が社をゴヒーキにお願いします!』
……なんてな。 気色悪ィな。
少なくともシキの嬢ちゃんには絶対こんなん見せたくねェ。

…………身体重いけど休んでられねーな。
これメモったら釣りに行くか。


●シキ
そもそも、帰る場所とかあるんかね?
なんだかんだ色々世話になってるがこの子のこととかなーんも分からん。
寝なくてもアグレッシヴに一日活動できるとことかよ。
やっぱ俺が知らんだけで実は色々あんのかもな。
……単に若いから可能なだけなんかもしらんが。

●イガラシ
姿を見せないと思ったら森で森林伐採してましたと。
イヤ流石にそんなわきゃねーだろ。
……と思うけど深く突っ込めんな。
でも普通に話してみる分には気のいいねーちゃんだな。

●時乃
色々手を回そうとしたが余計なお世話だったみてーだ。
そういやオレもガキの頃やたらと世話焼きたがる叔父とかいたな。
グイグイ来るもんだから日に日に鬱陶しくなってきてな。
フン。俺も歳をとったということか。
まァ以前恐がらせたかと思ったがよ。普通に近くまで来てくれてるしそんなことはなさそうだな。
目ェ届く範囲にいてくれたらそれでいいさ。