Eno.121 エルミナ=エルマ・エルミウム

■ 共に過ごすのは心強き皆様方

飢えと渇きの心配が、少しずつ解消されつつあります。
ここはおよそ数十日後には海に沈むので、永住するわけにはいきませんが、
それでもこんな状況に狂わず、今もこうして筆を取れているのは、
ともに島からの脱出を願う皆様方のお陰といって間違いないでしょう。
その素晴らしい皆様のことを、ここに記すことにいたしましょう。

アウリス様
私と同じ程の背丈の、可愛らしい身なりのお方です。
ですが私と違って、こういうときの生き延びる術に長けておられました。
その知識も堂に入ったもので、確かな経験に裏打ちされたものと推察いたします。
ですが最近、無理が祟ったのか体調を崩されておりました。
やはり人一倍頑張ってしまわれたことの反動なのでしょうか。
私、心配です。

飯島様
穏やかで、お優しい方です。
体調を崩されたアウリス様の看病もなさった方です。
皆様とは一線引いたところから、全体を俯瞰されているような、そんな安心感をお与えくださる方でもありますね。
色んなところで全員を巻き込むご提案をされたり、
私達が自然と一丸になる流れをおつくりくださっている気がします。
なんとか全員で脱出いたしましょう。

朝顔様
この島の漂流者の中でも、様々な意味で最も目立つ方でしょう。
時計をお持ちなためか時間感覚にとても正確で、
堂々とした立ち振る舞いも相まって、この島のムードメーカーな面もございます。
お話を伺うに、ある財閥の経営者一族の出だそうで、私と通じるところがあるように思います。
ですがその体型でしたり、その確固たる自信でしたり、そのプロポーションでしたり、その容姿でしたり、
羨ましいと思うところがとても多く、またオトナな方でいらっしゃいます。
私も、ああなれるでしょうか?その秘訣、お伺いしたいところです。