Eno.238 シオマネキ

■ A.ですが救いもあるかもしれません

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看護師A
「シオマネキさん、
 アルコールアレルギーですって」


――――後天性のアレルギーだった
誰かの為になれる職業に就きたいと思って一生懸命勉強をした
バカだったから、本当に頑張った
配属先が決まった時は本当に嬉しかった

看護師A
「看護師がアルコールアレルギー?
 ははは、なにそれ!
 消毒出来ないじゃん」


悔しかった
…けど、退職せざるをえなかった

患者
「あなた、今月で退職されるって本当?」


色々と思いつめていた時に
担当していた患者さんからそんな話を投げかけられた

患者
「私の最期を看取ってくれるのは貴方だと思っていたのに
 先に…行ってしまうのね」


私の配属先は循環器内科、癌科だった……

患者
「みんな知ってるわ
 私達の処置をしてくれる度に貴方、呼吸が荒くなるから
 …アレルギーなんですってね」

患者
「辛い思いをさせてごめんね」


患者さんは泣いていた
私は何の為に頑張っていたんだっけ?

そう、誰かの救いになれるように頑張って来たんだった!

「そんな悲しい事言わないで下さい
 退職までまだ日はありますし、
 それまで私も頑張りますから…ね!

 …気分転換にお散歩に行きましょ、
 車椅子、持ってきますね」


――――――――――――

(ふふ、懐かしい
 患者さん、その後すぐに亡くなっちゃって
 私より先に行くんかーい!って、お化粧してあげたなぁ…)

(…最期まで有難うって言ってくれて嬉しかったな)


私は誰かに感謝されるのが嬉しくて頑張ってきたのかもしれない
今回もきっとそう
みんなの為にできることを、ほんの少し頑張っただけ

(でもさ…)

(頑張りすぎて自分がダウンするのは
 絶対ダメなやつだよね!)


身体を張っても自分を保てなければ意味がない
人を心配させて…最悪の場合、悲しませる事になるかもしれない
あの時の患者さんと同じことの繰り返しだ

時に、人に頼ることも必要なのだ

「はは、ごめん…
 喉も潤ってるし、お腹もすいてないんだけど
 なんかバテちゃって…
 今日はもう動けないかも」

「ちょっと、休ませてもらうね…」


結果、拠点にいた 親切な人に食料を分けてもらい、
2日目は朝から晩まで盛大なお荷物と化していました

シオマネキは今後、頑張るのはそこそこに、
島のメンバーと協力して島の脱出を試みることにしました

「あと言い忘れてたんだけどさ…
 恐竜ちゃん すっごい優しいね!!
 お魚美味しかったよ、ありがとうね!!」


恐竜とも和解しました
※元から脅威ではありませんでした