Eno.249 今田

■ 3


荷物を調べている時にポラロイド写真を見つけた。昨日の朝に撮ったものらしい。
昨日釣り(ついでにこっそり風呂を使ってみた)の後で偶然見かけた暗い雰囲気の女の子の写真だ。

「手伝ってあげようか」
あの時一瞬こんな考えが浮かんだ気がした。結局俺は何もせずその場を離れた。

なぜこんな写真を撮ったかわからない。ただの気まぐれだったのかもしれない。あの後ろ姿に一瞬妹を思い出したからか。外見全然似てないけど。
俺は写真を燃やした。




犬はまた俺の後を付いてきた。どうやら俺が鬼ごっこをしていると勘違いしているらしい。
金髪の男からもらった妖精なんかが住むわけないボトルシップを渡した。どうせ元々こいつの相棒の物だ。勝手に遊んでやれ。

そう言えばお風呂入ってから予備の服に着替た。最初はこんな風に使う予定はなかったけど、いいだろう。古い服も着替えができるようになったからいい。
やることがないので服を作ってみよう。前に拾った布材も役に立ちそうだし、ほとんどボロ布だけど中には生地が悪くないものもある。


まずは犬に作ってみることにした。こんな暑いのに服を着せるなんて、死にそうな暑苦しさだな。