■ 探索記録① 取り急ぎ状況を記録する
僕の倒れていた地点の近くにボトルメッセージが置かれていた。
この島はすぐにも海に沈んでしまうらしい。
生き残れたのは運が良かったが、まだ危機は続いているらしい。
冒険のための記録用具を残しておいて良かった。
もしも、帰れなかったときに、すべての記録をボトルメッセージにして誰かに――
――できれば元の世界に流れ着いてくれれば。
僕はエーファ=ターネンベルク。冒険者だ。
行方不明者が続出する海域の調査を仲間とともに行っていた。
だが、そこで海の魔物に襲われて僕だけが海に落下してしまい、
謎のポータルに吸い込まれてこの島に流れ着いてしまった。
周囲には、他にも人影が見える。
会話は貴重な水分を消費するから迂闊にはできないが、
彼らもほうっておくわけにはいかない。
みんな、
みんなが帰れるように、動かなければ――
サヤカ――
君のところへ帰らなければ――