Eno.340 灰戸カミール

■ あれ?

薄々感じていたが、やはりおかしい。
私を収めるには人間の体では脆く悪影響が出やすいのは当然だが、それにしたって不調が過ぎる。

創造に特化したあいつが作ったものだからと無条件で信頼していたけれど、もしかしてこの器――私とは相性が相当悪いのではないだろうか。
問答無用で突っ込むなら合わせるくらいはしてくれ。すぐ死んでしまうじゃないか。

世話を焼いてくれるこの子の目の前で絶命するのだけは避けたいが、どうしたものだろう。
とりあえず、彼女が出かけている間に海に身投げするのは選択肢に入れておこう。