Eno.253 半人半鯱のサート

■ 指でくるくる、回すクセ

ここに流れつかなかったもので、
普段は非常に大事だが、ここでは役立たなさそうなものが一つある。
21gのビーチボールだ。

有り体に言って、死霊術の媒体。
なるべく『それらしく』見えない、
それでいて『俺らしく』あるもの。
霊体を詰めることができて、その重さは常にきっかり21g。

……それを指先でクルクル回す癖もあった。
喫煙者の口寂しいならぬ、指寂しさがあるな、これ。
ここに現物があっても、分解されて水を貯めるのに使われるのがオチのような気もするが。

骨なんか回してみても手応えはあまりない。
なにぶん時間が経っているのかカラカラなのだ。
お前には、もっと良い使い道があるさ。
死霊術とかに頼らなくても、今はな。