■ 社務記録01
「どこ、ここ…。」
辺りを見回しても、波の音。
南国かなぁ…おかしいなぁ…晩御飯のお買い物に出掛けたハズなのに…。
「えっと…あの…どこ…?」
同じ事しか言って無い気がする。
なんで山の中の村から、浜辺に辿り着いたんだろう。
「わたし…そこまで迷子、酷くなかったと思う…。」
迷子にも、限度があると思うの。
「えっと…携帯電話……あ、圏外…。」
「眼鏡は…つけてる…。割れたりしてないよね…?」
「…割れてない…後は…あっ、お財布……あっ、ない…。」
(※ 後日、そもそも家に忘れて出かけてただけであった事が判明する。)
「どこ、ここ…。」
「コタローちゃん、たすけて…。」
遠く求めた助けの返答は、繰り返す波の音だけだった。