■ 1日目
「さてと…どーしよっかな」
砂浜で立ち上がって、服についた砂を乱雑に叩き落とす。
周りを見渡せば、どこまでも広がる青い空と、どこまでも澄み切った蒼い海。
理想的な、素晴らしきオーシャンビュー!
こんな状況じゃなければ、日ごろのあれこれを全部忘れて、このロケーションを心から楽しみたい!
……嘘だよ。毛がガビガビになるから海は嫌いだ。
「そんな事より、僕が気になるのはだね…」
「どこ、ここ」
……………ザザァ……ン……
「本当に!ここは!どこなのー!!!!」
叫んだ所で、その答えが来ないことは分かっている。
ただ叫びたいだけなのだ。
「……はぁ、取り合えず覚えている事を整理しよっと」
虚しさを押し込めて、今の状況を振り返ってみた。
少なくとも、昨日までは文化圏に居たはずだ……自分が数日間気を失っていた、とかでなければ、たぶん。
となると、ここは少なくとも何らかの手段を用いれば、1日かそれ未満で人が居る場所と行き来が出来るという事になる。
「だとしたら、僕にとっては楽しょーだね。
僕は運が味方してくれるから、この程度のハプニングちょちょいっと脱出できるさ!」
これも一種のギャンブル、そう考えてしまえば何も恐れることはない。
何といっても、自分には運がある。
…と、自分では思って憚らないのがこのウサギだった。
実際にそうであれば、そもそもこの場に居ないのではないだろうか…という事には、まったく考えを巡らせることはない。
「さて、そうなったらまずは…持ってる物を確認しておこうか。役に立つ物があるかもしれないし」
そう言って、自分のローブをゴソゴソと探し始めた。
「ふむふむ、あるのは財布と……カードデッキと……お、ミネラルウォーター!
僕エライ!買ってあったペットをそのままポケットに入れてたんだ!ラッキー!……以上…かな…」
あるのは、小銭が少し入った財布、カードデッキ、水の入ったペットボトル。
「……………この島、何事もデュエルで決める方向の島だったりしないかな…」
カードデッキを手に取って、そんなことを呟いてみるのだった。