■ 猪突猛進って
イノシシは何を考えてるんだろ。
罠に掛かったときは?
山道を引き摺られてるときは?
最後に私と目が合ったときは?
きっと、すごくすごく痛かったろうなあ。
私、頭も目もぐるぐるしてた。
お母さんが作ってくれた肉じゃがとか、
お父さんが買ってきてくれた焼き鶏とか、
弟が平らげた私のへたくそな唐揚げとか。
放課後に寄り道して食べたハンバーガーとか、
大好きな俳優が褒めてたサラダチキンとか、
今の今まで忘れてた小学校の食育の授業とか。
いろんなことがぐるぐるして、
ぐるぐるしてないと、呑み込まれそうで。
料理でも鉛筆削りのためでもないナイフを持った私は、
イノシシみたいだったと思うの。