Eno.363 無礼院 頭通

■ 生きる、生きるぞ、生きねば

こんな未開の野生島からはすぐ出たかったのだが……
船の作り方がわからん。いかだの作り方もわからん。
丸太とタイヤをロープで括り足場と浮力確保、布で帆を付けて……でいけないのか?
いけなかった。無念。

すぐ出ようかと考えていたのを方向転換、
この島での生活を始めることとした。

……脱出を最優先にして動きすぎたので、
削ってはいけないものまで削れた気がする。
水や食料を助けて貰った(これはありがたかった)が、
その相手もいつのまにか削ってはいけないものまで削っていた。
なんという困難のループだろうか。

これ以上は互いに削ってはいけないものまで削ることなく生き延びたいものだが、
いかんせん方法がわからん。罠は仕掛けてみたが、掛かるものか……

そういえば、海に浮かんで鮫を食う巨大な女性と言うのは、
僕の常識から些かどころではなく外れているのだが、
まあ、気にしないこととする。うん。そういうこともある。
でも野性が時折溢れてる気がするのは気にする。

こんな沈む島にいられるか、帰ると躍起になっていた所に、
そもそも海に浮かんでいる者を目にしたのは、
冷静になった理由の一つなのかもしれなかった。
そうか、浮けばいいのか~。いや僕は無理。