Eno.156 校倉 智

■ 初日

 海外のドキュメンタリー、屈強な探検家が身一つでサバイバルする番組において、彼は言っていた。
 まずは水場の確保であると。

 飲水を求めて彷徨っていたところで、マカナと。
 そこから散策をしていたところで、セラと出会った。

 マカナは花飾りが印象的な、小さな女の子。明るく元気で、手先が器用ながんばり屋さん。
 どちらかというとこういう環境に馴染みがあるようで、浮足立った様子もなく、初めて出会ったときにはもう蔦を編んで籠を作っていた。
 お風呂を作ってくれたのも、着替えを作ってくれたのも彼女だ。……本当にありがたい。あまり言いたくないけれど、汗と潮風で大変なことになっていた気がする。

 セラは不思議な雰囲気の……男の子? 女の子? 全然わからない。
 ホントの名前じゃないのかな、自己紹介の時そんな感じだった。セーラー服のセラ。……ふふ。
 おとなしいように見えて、行動力が凄い。頼もしくもあり、少し危なっかしくもある。不思議な子。

 共に明らかに日本語話者といった様子ではないのだけれど……不思議と意思疎通はできた。ありがたい。
 二人と出会ってから、独り言が増えていたことに気づいた。孤独を自覚する前に解消されたのは、本当に運が良かったと言える。
 ……いや、他人の災難を喜ぶことになってしまうのだから、あまり良くない考えだな、これは。

 その後、拠点を作ろうと意気込み舞い戻った森では、なんと恭弥がいた。
 先の二人の様子からして、かなり別々のところからこの島に流れ着いていると考えていたので、これにはすごく驚いた。
 なんと単身、木製の拠点を作成していた。知識があるのは知っていたが、これほど行動力があったとは……

 合流して気が抜けたのか、そこからしばらくがよくわからない。
 気がつくとのどが渇いていて、ぐったりしていた。近くではセラもクッションに潰れていた。
 サバイバル、それなりに楽しめるつもりでいたのだけれど……体はそうもいかないらしい。

 借りたクッションはよく眠れたし、お風呂は気持ちがさっぱりした。これがあれば、当面はなんとかなりそうだ。
 料理、できないものかな……