■ 名もなき患者の記録



『……!人が倒れてるぞ!
誰か救急車を呼んでくれ!』

『…心肺停止!
直ちに心肺蘇生を!』

++ 数か月後


(変な色の髪)

「検温の時間で…
あら、今日は体を起こしても大丈夫なんですか?」

「…あ、師長さん
はい、今日は気分もよくて
コンビニまで買い物に行こうかなと思っていて」

「それはいいリハビリになりそうですね
でも無理は為さらないで下さいね」

「無理をしたらまた心臓が止まるかも…ですか?
ふふ、大丈夫ですよ
辛くなったら引き返しますから」
私は数か月前、砂浜に打ち上げられていた所を救助されたらしい
病院に搬送された時は本当に心臓が止まっていたんだとか

(冗談が言えるまで回復した今となっては
信じられない話だけど、ね…)
とはいうものの、それを完全に否定することは出来なくて

(私の記憶がないのも
心肺蘇生のショックかも…って言ってたけど
この髪もその時に変色したのかな~)
私は自分の名前はおろか、出生や経歴…
病院で目を覚ますまでの記憶の殆どを失っていた

(無人島でサバイバル生活をしてた記憶は残ってるんだけどね
そんなこと言っても誰も信じないでしょ?)
唯一残っている記憶が無人島生活だなんて面白過ぎるでしょ
その記憶も朧気なんだけどね

コンビニエンスストア周辺


「滅多に来れないから色々買い漁っちゃった」

「帰りが遅くなったら師長さんが心配するかも
早く戻