Eno.110 永久の旅人

■ 名もなき患者の記録



『……!人が倒れてるぞ!
 誰か救急車を呼んでくれ!』

『…心肺停止!
 直ちに心肺蘇生を!』



++ 数か月後

(変な色の髪)

「検温の時間で…
 あら、今日は体を起こしても大丈夫なんですか?」

「…あ、師長さん
 はい、今日は気分もよくて
 コンビニまで買い物に行こうかなと思っていて」

「それはいいリハビリになりそうですね
 でも無理は為さらないで下さいね」

「無理をしたらまた心臓が止まるかも…ですか?
 ふふ、大丈夫ですよ
 辛くなったら引き返しますから」


私は数か月前、砂浜に打ち上げられていた所を救助されたらしい
病院に搬送された時は本当に心臓が止まっていたんだとか

(冗談が言えるまで回復した今となっては
 信じられない話だけど、ね…)


とはいうものの、それを完全に否定することは出来なくて

(私の記憶がないのも
 心肺蘇生のショックかも…って言ってたけど
 この髪もその時に変色したのかな~)


私は自分の名前はおろか、出生や経歴…
病院で目を覚ますまでの記憶の殆どを失っていた

(無人島でサバイバル生活をしてた記憶は残ってるんだけどね
 そんなこと言っても誰も信じないでしょ?)


唯一残っている記憶が無人島生活だなんて面白過ぎるでしょ
その記憶も朧気なんだけどね


コンビニエンスストア周辺

「滅多に来れないから色々買い漁っちゃった」

「帰りが遅くなったら師長さんが心配するかも
 早く戻