Eno.108 アノーヴァ・ピィヴァル

■ 《10: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 献身》

森で野草や木の実の毒味をする。
こういう時、ドラゴンの身体の丈夫さに感謝せざるを得ない。
おおむね味はともかく食べられるものが多いが、中でも香りのいい草は食べると体の調子がよくなった気がする。
もしかしたら薬草なのかもしれない。二、三束倉庫に常備しておければ心強いのだけど。

マギサさんにはとりあえず大人しくしていていただくとして……
サメーンさんはあいかわらず元気そうで、水を貯める容器を造ってくれたし、リーバさんもまあ大丈夫そうだ。
けれど、人魚さんの様子は気がかり。なかなか顔を出さないから。海で食べ物が採れていればいいのだけど……

……こんな私でも、皆の助けにならなくては。
倒れてしまってはいけないが、できる範囲なら無茶でもする。

過去の存在であったはずの私が、生きていていいと思えるには……そうするしかないのだから。
ここがオルタナリアではないのだとしても。