■ 朝日は登り、閑話休題
半人半鯱のデルピス・サートがキノコを食べたり、
真水を飲んで気合を入れている頃。
元のパーティの彼らもまた気合を入れていた。
「……、サートは生きてますっ!」
誰よりも強く、震えながらもそう声を上げるのは、
半人半鯨のフートその人だった。
“だがよう、あの波じゃ普通の人はよう”と、
船の航海士が言葉を濁す。
その様子に、誰かが舌打ちをした。
「彼は海獣の半人外です!私と同じ……水中で息を止めることは人より何倍も得意なんです、先ほどの嵐を乗り切れてさえいれば何処かにいます!だから船を戻して…!」
彼女はサートと同じくらい、頭を武器に冒険者をやっている。
そんな彼女がここまで熱くなっているのを見るのは、パーティの面々も見るのは初めてだ。
しかし先ほどの嵐を振り切るために、船はかなり遠くまで来てしまった。
依頼の道のりとしては、ショートカットではあるのだが。
「サートは生きてると思うよ」
一番小柄で幼なげな、パドッタが頭の触覚を揺らしてこともなげに答える。
「それはどうして?」
「あたしのカンをみくびらないでよ」
「……」
微妙な沈黙を、陽気そうな顔の青年サテュロスと、粗野な少女ルーガが破る。
「確かにパドッタのカンはバカに出来ないよね!嵐の雲だってこっちにまでは来なかったじゃないか!」
「……島があるつってたんだろ?そこに流されてりゃ、まだ目はある」
めいめいの意見を汲んで、まとめるのは……普段はサートの仕事だが、最終決断を下すのはリーダーのアニス。
「そう……だね。ここはサートを信じるよ。
航海士さん!最短最速で港町を目指して!依頼を終えたら速攻でもっと早い船を借りにいくから!」
彼らはまだ、マンカイ商店の船の上。