Eno.139 薄井すもも

■ おおきなおとがしなくても

女神が授けてくれた鉄の斧をさっそく振るい、丸太を割る子供。
使いやすくなった木材で倉庫を増やす。みっちりになっていた物置き場に余裕ができた。
赤い髪の少年も薪割りをしたことで木材にも余裕が生まれてくる。

大きな設備が作れた達成感で満たされた子供。
これはお祝いだ、と、砂浜で拾った湿気たクラッカーの紐を引く。プス……
その姿に目を向けた赤い髪の少年に、もう一つのクラッカーを渡すとさっそく紐を引いてくれた。プス……
気の抜ける光景に、もふもふの少女は笑い声。
楽しい気分の中、子供は目を閉じていく。
次に良いことがあったら、皆で大きな音を鳴らしてみたいな、なんて語りながら、三人は眠りについた。