■ 獲物が掛かっても
ギリギリなのには変わらねェなァ。
二つ仕掛けたぐらいじゃそうそう変わらねェってことか。
ただ……あまり増やしすぎても修理のコストが嵩むから考え物なんだよなァ。
伐採でもツタが手に入ることが分かったし、水だけ世話になって、余力がある時伐採、ねぇ時は探索でぼちぼちと木材を集めるのが良さそうだ。
次に確認しに行った時に罠が壊れてなかったらもう一つ仕掛けるとしよう。
海にいかねぇ分、獲物がいねぇ限りどうしてもギリギリになっちまうからなァ……倉庫にぶち込む分も確保してェ。
……と思ったら、どうやら海の方も魚が逃げちまってるらしい。
これは……不味いな。救助が来るのは7日目だとかあの便箋には書いてあったが、あまりにも食料が枯渇するのが早すぎる。
救助を待つか、脱出するか……その選択を迫られる可能性も出て来そうだな。
あと、昨日ナンナの知り合いかもしれねェって言ってた幸村ってやつが、モルタルとコンクリートなんていうものを使って道路の材料を作っていた。
それを元気すぎる少女が持っていって、森の方へと続く道を作ってやがった。
いやァ……タフなやつもいるもんだな。
この無人島、ナンナみてェにタフなやつが多くて驚くぜ。
食料も水もギリギリってのに、略奪やら争いなんて起きねえ……はァ……アリアネアの貴族共もこれくらい利口なら良いんだがなァ……。
そしたら、俺のバカみてぇに多い仕事もグッと減ってくれるだろうに。
……バカどもをまとめて時空魔法で無人島に送れば良いのか?
いや、それはそれでアイークに怒られそうだな……残念ながら、却下だ……。
一命を取り留めたってのにまたあの馬がどっかにいっちまった。
馬は肉は食えねェんだったよな……またギリギリまで腹を空かせて泥水でも啜ってんじゃねェだろうか。
海に落ちたりしてるやつもいるみてぇだし、あんな身体で出歩くのはあまりにも危険すぎる。
……このポプリが遺品になっちまわねェと良いんだが。