Eno.589 小比類巻

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「友達」も度が過ぎれば、ただ傷つけ合うだけの関係になる。

一番じゃないとダメだと思ってる人はこの世の中案外多くて
一番になれないと感じた時に、苦しくなって、相手になりふり構えなくなる。
当時は私もそれを感じ取れなくて、そしてそれをぶつけられてもピンと来なくて
結局ずっと続くと思っていた友情は呆気なく、互いに傷跡ばかりを残して終わった。

そんな経験をしてから何となく、友達ってものを作るのが苦手になった。
人と話すのは嫌いじゃないし、人と一緒にいるのも、結局嫌いじゃない。
だから結局クラスメイトとも普通くらいには話すし、行事でも出来る限りは協力するし、遊ぶってなったら普通に遊ぶ。
深い付き合いは無いけれど、帰り道、公園で友達と分け合ってたイヤホンを独り占め出来るようになってから
そういう変化は少し、寂しいかもしれなくても、これはこれで贅沢だな、と思う。

”アラヤは友達なんて誰でもいいんでしょ。”

ふと過ぎるあの時の言葉に、思わず笑う。
そんなこと無かったよ。お前が良かったよ。
お前で良かったんだよ。

けどさ、でもやっぱり
一緒に遊ぶことは出来ても、他の人よりお前を優先するっていうのは
ちょっと違うかなって思っちゃったんだ。

お前が良かった理由は、お前しかいなかったからじゃ無かったから。



誰もが出来ることでも、私がやってることは私がやってることだ。
無人島でサバイバルなんて予想も想像もしてなかったけれど
自分なりに出来ることをすればいいかな。
誰かの為じゃなくて、自分がやりたい範囲でさ。

「釣るぞ~」