■ ペンギン
ペンギンは恐怖した。
海辺に漁に出た際に、亀が溺れたイノシシを食べるところを見てしまったのだ。
とっさのことだったので、ペンギンはイノシシがまだ生きていたのか、すでに水死体だったのかを確認はできなかった。
しかし、亀がイノシシを食べていたのは確かだ。
ペンギンが記憶している限り、海にいる亀はクラゲや海綿を食べることはあるものの、ああいった大型の哺乳動物を食べる動物ではなかった。
「森を泳ぐサメ」については、元々警戒をしていたのでさほど衝撃がなかった。
しかし「肉を食べる亀」は警戒していなかった動物がその対象だったと分かり、ペンギンは大いに衝撃を受けた。
ここはジーランティス、あらゆるものが流れ着く世界。
世の中は、ペンギンの経験則だけで測れる物事だけでは作られていないのだ。