■ やくわりつくろい、寝ずの番
遠くの空まで雲がなく、非常によく晴れています。
良くも悪くもしばらくは天気が良さそうです。
雨を望んで踊り出す子たちが出るほど、
今日のグレートイヴァーナ王朝島(日によって変わる。なんなんだ)はよく晴れている。
冒険者の寝ずの番は長い。
たといこの島の守り神(とする)が隣にいても、
なお長く。繕いものをする布擦れと、波が地面を擦る音と、風で葉が擦れる音。
たぶん途中で寝てた。隣の寝ずの番のお墨付きだからまあ構わないか。
星から星座を探そうとしても、最低限方角を知るための星しか知らない俺には退屈しのぎにならなかった。
今、イノシシでも飛び出してきてくれればなんとか捕まえて………いや、魔法がない俺じゃ分が悪い。
サメでも飛んでくればいいのに。
……それはそれで大騒ぎになりそうだ。
もしも海が全部真水だったら。
……そりゃ生態系の終わりだ。俺だって嫌だ。
あと何日居るのか分からない島に、
役割分担という社会性ができて。
灯台を建ててあまつさえ道路も引こうとしている。
なんだかおかしな話に思えるけれど、それだけ真剣に、それでいておもしろおかしく生きてるんだなあって思える。
退屈は、猫が好奇心に殺されるより先に人の心を殺すのだと、
誰か言ったような言ってないような、昔聞いた話が混ざって俺が今考えたような。
心が閉じれば口も閉じる。そう考えれば、やれる事をやりたいだけやる姿勢は見習うべきものがある。
齧るように取っておいた魚、すっかり冷めたな。
まだ太陽は出てないけれど、
向こうの空が薄ら紫色になって来た。
そろそろ夜も明けるか。