Eno.139 薄井すもも

■ たいりょう たいりょう

鉄の斧をもたらした女神は釣り竿ももたらしていた。
すでに倉庫に収められていた大きな魚を焼いて弁当にし、子供は意気揚々と岩場へ向かう。
釣り糸を海に投げ込み、引っぱり、次々と魚を獲っていく。釣り竿、大いなる力。

両手いっぱいに魚を抱え拠点に戻る子供。釣果と入れ替えに倉庫の材料を持ちだし、蒸留装置の用意をする。
拠点にしかけていた罠を思い出して兎を確保し、焼いて食べ元気になる野生児。
岩場に蒸留装置をしかけ、また魚を釣り、網も拾い、再び拠点に戻ったころにはへとへとで、ごろりと体を横たえる。
釣果に喜んでくれる声をうとうとしながら聞いて、誇らしげな気持ちで寝入っていた。