Eno.108 アノーヴァ・ピィヴァル

■ 《14: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 砂糖》

サメーンさんが石臼を造った。
さっき探検に行った時、ちょっと硬い草を見つけて―――なんだか見覚えがあったので持ち帰ってみたのだが―――それをすりつぶしてみると、甘い汁が出てきた。
……そうだ、これは砂糖の材料になるものだ。

氷の迷宮にいた頃、お供え物にモノの国の砂糖菓子が混ざっていたことがあった。
硬くて、栗やウニのようにとがっているが、いろんな色があってきれいだし、口に放り込むとカリカリとはじけて、細かくなって、とろけて広がる……
本を読みながら一粒一粒食べていって、食べきってしまったら無性に寂しくなって……そのまま氷の中に入ってしまったっけ。
大きな鍋を使い、時間をかけて作るのだということは外に出てから知った。
この島で作るのは難しいだろうけど、またどこかで食べられたらうれしい。