Eno.479 明智光秀

■ 親分と女神

 そんで、おれがリーダー。
 ってことになった。

 無人島に流されて来たのは、おれを入れて3人。
 みみしっぽのあるお嬢ちゃん・ススキと。
 無表情だけどすげー物知りな子供・すもも。
 のぶのぶんときの島には、10人以上流されてたらしーけど。
 先にそれ聴いてたから、結構頑張んないと駄目かなーって思ってた。
 けど、ススキとすももが断然すげーやつらだった。

 すももは「どうがでみた」って言うんだけど、見た事だいたい覚えてるらしーんだよな。
 罠つくって食料捕まえたり、釣りもやたら上手かったみたいだ。
 直接は見てねーけど、気付いたら倉庫が食料で一杯になってた。
 おれが疲れてたからって、治療の道具までつくったりして。
 これはもう大将って呼ぶしかねーな! ってなったけど。
 おやぶんの方がいいって言ったから、おやぶんになった。

 ススキも使えそうないいものどんどん見つけてくる。
 あれがあったらいいなー、とか話してると、「こんなのあったぞ!」っつって持って来たり、作っててくれたりする。
 鉄の斧も、釣竿も、いつの間にかいるもの揃えてくれたおかげで、すげー過ごしやすくなった。
 釣りはうまくいかなかったみたいだけど、銛とは相性いいみたいだ。
 いっぱい撫でてくれるボスの話もちょっとだけ聴いた。
 ススキがこんなすげーんだし、きっとボスもすげーやつに違いない。

 おれはすっかり、おんぶにだっこ状態になってるけど。
 やさしいからリーダーだ、ってすももが言ってくれた。
 あと何日で船がくるかわかんねーけど。
 親分と女神がもうちょっと楽できるように、やれることやっていきてーなー。