Eno.110 永久の旅人

■ 新しい記録



 ++ 2日目/どこかの時間軸/拠点


「森の散策楽し~~~!
 ってしてたら迷子になりました!」


木材があるよ!
あ、こっちにロープもある!
そんな感じでどんどん森の奥に入り込んでしまって…

「迷いに迷ったけど、ベルの人たちの声が聞こえてきて無事に帰って来れました…」


無事とは言うものの、限界はとっくに超えていて
もう無理~~~と へたり込もうとしたら、小さな女の子が私の手を牽いて島の露天風呂へ案内してくれた

「結構体力削れちゃってる感じがするんだけど、
 お風呂で回復するのかなぁ…」

「回復しました!!」


体力が回復した所で私をここに連れて来た女の子と目が合う
小さな、小学生くらいの女の子
今まで何も思い出せないでいたけど、ここに来てやっと思い出せたことがある

「手を牽かれて思い出したけど、
私をここに運んでくれたのはあなたね?」


小さな手
その手が私をここまで運んでくれたことを、思い出した

「助けてくれて有難うね」


女の子の顔は湯煙でよく見えなかったけど、きっと笑ってくれたと思う
…これは私の希望なんだけどね


 ++ 2日目/夜/拠点


島にいた人達と和解した
和解したのはいいんだけど、みんな口を揃えて私のことを病人って呼ぶからなんでかな?と思ったら…私は病衣を纏っていた

「みんな凄く優しいなと思ってたけど、
 労わってもらってたのね!」


ここに運ばれてから色々あって混乱もしていただろうけど、自分が病人であることも忘れていたなんて…

「でも、どこも悪い様子はないんだけど?」


少し前は体調不良もあったけど、それを除くと特に異常も感じられなくて
もしかしたら記憶がないのと関係してたり
…それはないか

でも、記憶以外どこも悪くないのにみんなに心配されるのは忍びないから 見た目だけでもどうにかしたいな…
そう思っていたら島の(多分)ボスが服を繕ってくれるって話になったんだけど、島の長がお裁縫を…??
申し訳なさが増し増しだったけど、ここは素直に甘えさせてもらって…

「見た目なんて今まで気にも留めていなかったけど
 新しいお洋服、楽しみだな…」

「って思いを馳せる間もなく完成してる!!」


ボスの手際のよさは尋常じゃなかった…
朝頼んだものが夜には完成するなんて…
ボス、恐ろしい子

「でも…凄く、嬉しい」


<それ>は私の為に作られた白いワンピース
記憶を失って、どこかわからない場所にいて…絶望ばかりしていたけど
ここでの暮らしも満更でもないかもしれない