システムログ

■ *『さいしょの便箋』

──あなたがこの島に流れ着いてまもなく。 ふと、あなたは浜辺でひとつのボトルメッセージを見つけるだろう。
あるいは、他の誰かが見つけてあなたに見せたのかもしれない。

手紙には不思議と読める字で綴られた書き置きと、それといくつかのレシピらしきもの。

"いつか、此処に流れ着いた貴方へ"


"このボトルメッセージを、いつか同じ場所に流れ着いた貴方のために遺します。
まずは一度深呼吸をして、落ち着いてから続きをお読みください"


"結論から言えば、ここは絶海の孤島と呼ばれるような場所です。
そして、理由は様々ありますが……この島はあまり長く住むには適しません"


"ひとつは、この蒸し暑い気候。
強い日射と不安定な天気は、訪れたばかりの貴方には慣れないかもしれません"

"もうひとつは、潮の満ち引きが著しいこの海。
この島は……早くて数日、長くとも数十日と経たずに海へと沈みます。
一度満ちた潮がどれほどで引くかは……私にはわかりません"


"……ですが、望みもあります。
七日ほどに一度、この辺りには船が通ることがあります。
近海を通る彼らに助けを求めることができれば、きっと助かるかもしれません"


"物資の代わりに、役立つもののレシピも記しておきます。
私のいた頃と変わりなければ、この島で手に入り作れるはずです。ご活用ください"


"私から貴方に出来ることは、こうして書き置きを遺すことしかできませんが。
それでも、どうか希望を諦めないでほしい。それだけが、私の望みです"


"かつて、この『シマ』にいた者より"


……あなたはこの置き手紙に希望を抱き、数日を過ごすのか?
それとも、絶望的な状況であると全てをなげうつのか?

ともあれ、こうしてあなたの無人島生活は始まるのであった──