Eno.633 コトウモリペンギン

■ ペンギン

ペンギンは、また空腹だった。
今回は不漁ではない。
海に行く予定を取りやめたのだ。
ペンギンが通ろうとした草むらの近くで、例の亀が眠ろうとしていた。
気弱なペンギンは、こうなってしまうともう、及び腰な様子だ。

それに最近、ヴェロキラプトルが増えている様子だ。
大規模な群れが移動してきたのか、繁殖したのかはペンギンには分からない。
肉食動物が殖えすぎた場合、餌となる動物が減り、餌にありつけなくなった弱い個体が飢えて死ぬことで、自然界の個体数バランスが保たれる。
しかしペンギンは食われる立場だ。
調整のための犠牲になるなど、まっぴらごめんである。

だとしても、身を潜めれば腹は減る。
ペンギンは、つまらなそうに身を縮こまらせた。