Eno.385 イコン

■ 3日目の手記

唐突に無人島に流されて3日目、ようやく生活基盤が安定してきたので手記を残そうと思う。
今までに色んな理不尽に遭ってきたけれど、そういえば無人島に流されるというのは初めてだったかもしれない。
……いや、今までにもあったかも知れないけれど、多分「人の姿」の赤子じゃ生きていけなくて、意識が宿る前に早々に死んだか間引かれたかしているのだとは思う。
閑話休題。
初めての無人島はなんというか、騒がしい。
無人島は無人島なんだけれど同時期に流された人数が、多分20人は居るのでマンパワーに関しては心配要らなかった。
衰弱状態で働けない人が少ないのも良かった。初めのうちはどうしても人力頼りになるから。
資源自体も豊富にあるみたいで……正直生態系がかなりおかしいのだけれど……取り敢えず基本的な肉魚に関しては致命的な毒や寄生虫はいないみたい。

独自の判断と話を聞く限り、この「狭間」は以前キトが面白おかしく話していた島で間違いないと思う。
人数が人数なのでこの収穫が続くとは思わないけれど、取り合えず船が通りかかるっていう7日目までの間に枯渇するということは無さそう。……ないと良いな。
念の為にこの話を他でする?……一応考えておく。
水と食料は最低2日ほど貯蔵しておく方がいいかも知れない。
全員分は難しいけれど、取り敢えずギリギリ生きられるくらいは、多分あった方がいい。
一人分残した所で焼石に水だとは思うけれど、私の分は後回しにしておこう。
私は次があるけれど、多分みんなはここで死んだらお終いだと思うから。

……その割に軽率にキノコドラッグパーティーを始めるのはどうかと思う。
いや、極限状態で酩酊に逃げたくなるのは重々わかるのだけれど、なんだか逃避行動というより単に面白がっているような気がする。関与するつもりはないけれど死なないようにだけはして欲しい。周りのモチベーションが下がるので。

それにしても、あの時確かに持っていたはずの銃があれば初期の狩猟成果も少し変わっていたかも知れないと思うと残念。
良いライフルだったんだけどな。せめてサイドアームだけでも残っていれば。
……ないものねだりね。仕方ないと諦めましょう。