Eno.336 カガリ

■ 【3日目、捕食】

拠点に置いてもらう以上は足を引っ張ってはならぬと銛を手に沖へ出て
しかしそこは言わずもがな、生命たちの苛烈な生存競争の場だった。
思いがけない負傷に怯み、その隙に何対もの眼が男を捉える。
生き延びるのは自分たちだと叫ぶ彼らが、死にもの狂いの牙をこちらに向ける。

──銛を握った手は動かなかった。
あの人たちの食糧は足りるだろうか。
必要な食い扶持が一人分減るのだから、きっと大丈夫だろう。