■ 7.長雨、
長雨は嫌いだ。
俺が知っている世界には雨が降り続く季節がある。ひと昔前は長時間の降水が予想される場合はあらかじめ警報が発令されていたけど今は警報も予報もなにも出さない。
情報源と呼ばれた何かはいまや[敵]の広告塔。何事もなく変わらない日々を過ごしているが雨の時期になると多くの人がすべてを奪われる-。
そんな現実に耐えられなくて俺は、
一昔のこと、
住んでいる街のこと、
地形のこと
を学んで今起きていることと戦っている組織に志願した。
[敵]が見せる幻の中で踊るだけの群衆になっていた親は反対したよ。
両親とはもう会うことはない。どこでもない場所にいる今、地元では死んだことにされてるだろう。それは俺にとってうれしいことだけど同時に悲しいことでもある。
120時間が経過して、雨は止んだがまだ空の雲行きは怪しい。
それでも、元気にやっているみんなと不思議な猫のおかげで島の整備は順調だ。いずれ消えてしまう場所だと知っているけど、人がより人らしく生きようとしている。
これも・・・、寝ずに拠点の番をしてくれる[セト]くんのおかげだ。
・・・竜人族だと思ったけど彼は神族かもしれない。まさか本部でもお会いできない彼らと同じ場所に立っていられるとは。