■ ~番外~
――何処か、海の上にて。
* * * * *
「……はぁっ、はぁ……っ、はぁっ……!」
泳ぐ、泳ぐ、必死に泳ぐ。
只々、果てしなく続く水平線を、藻掻くようにかき分けて。
「何処、だ……何処に、居る……」
我らの領域が、下劣な陸の者共に襲われた、あの日。
私達兄妹は従者達の決死の覚悟の元に逃され、必死に、隠れながら、逃げ続けた。
其の最中、突如生じた不自然な海流に巻き込まれ。
せめて、妹を離すまい、と、強く抱きしめていたのに――
「……エスティ……!」
泳ぐ、泳ぐ、我武者羅に泳ぎ続ける。
もう、かれこれ3日は泳ぎ続けているだろうか。
既に躰は疲労を越え、限界だと悲鳴を上げている。
だが、其れでも。
嗚呼、我らが神祖よ。
星映す海鏡(ミカガミ)の大神ディオスメールよ。
どうか、独り泣いているであろう我が妹を、お護りください――