■ 漂流日記.4
流されて3日目。
皆、よく頑張っていると思う。
もやしっ子坊やと呼んでいたあの子は、今はもう仲間の一員として、積極的によく働いてくれている。
フィオさんが泣きそうになっていた時に、よくもまあ、ああも的確な事を言えたものだ。
彼はきっと立派な大人になるだろう。
彼のような子供を持てた両親はそれを誇るべきだ。
フィオさんはフィオさんで、気丈にふるまっていたが、冷静に考えれば、彼女とてまだまだ若いのだ。この状況では不安にもなるだろう。
それを見抜けなかった私は自分を恥じるべきなのだろうが、既に彼女はジョザイア君が励ましてくれた。
ならば、何か言う必要はないだろう。
ダムスさんは……正直、初見は怪しい人だなあと思ったが、夜行性でありながら、起きてからの行動が非常にテキパキとしている。
堅実に、よくあそこまで動けるものだ。
正直、彼がいろいろと道路を敷設してくれたりなんなりしてくれているおかげで、
随分と移動も楽になった。 初見の印象は本当に当てにならない。
己を戒めよう。
そして、リズベラさんは、生まれつきか、それとも立場で作られたのかは知らないが、人を引っ張る力に満ちた人だ。
彼女の言葉で周りの人々が引っ張られているのをよく感じる。
責任感の強さから少々危うさを感じるが、そこは若さゆえのか。
それとも……あまり考えたくはないが、自分も商人をする前から旅をしていた身だ。
強く、美しい者ほど、いざ荒神などが暴れた際に供物にされるとも聞く。
なんとなくだが、その振る舞いや衣装が、それを思い出させたが、それは聞くべきことではないだろう。
フロス君は……いや、正直最初の妙な色気で変に意識してしまった。
本当に、本当に、すごく本当に、よくない。まっことによくない。
だが、彼は何かそれを気にしているようでもあった。
……結局、聞かないように、聞かないようにしようと思っているのに気になるが、人の性、というやつだろう。
くそう。
だが、彼は何となく迷っているようにも思えた。
それが気のせいであれば、いいのだが。
いずれにせよ、皆、良い人ばかりだ。
私よりも、救われて然るべき人々。
もしも何か、災いが起きるとして。
そして、それが誰か一人の犠牲で防げるのであれば。
真っ先に私がいくべきだろう。