Eno.159 セト=ロベリア

■ ヒトのタスケ、ソレゾレのセカイ

今日も食糧生産に勤しんでいる。
パンを焼いて、肉を焼いて、魚を焼いて、合間に水を飲んで、貝や海藻を食べて……

このパンの材料のきのみは、採集班が。
塩は鳥娘かサミュが作ったものだろう。
真水は水担当のサミュだ、おそらく。サミュ以外にも蒸留を手伝う者たちがいたから、彼らの手によるものかもしれない。
かまどを作ったのは僕だが、その材料の石材は探索に出ている者たちが採ってきたものだ。粘土もしかり。
肉を調達するための罠の設置と確認、魚釣り、探索。全て他の者たちの功績だ。
この貝や海藻、調理の為の木材も……

なるほど、道理で。
人は一人では生きられないとはこのことか。

対価と、供出。これがなければならない。


僕用?の神輿が造られていた。
……思えば、僕も、ここで得た信仰は『倉庫の守り神』だ。

僕が倉庫番をしている対価として、信仰を得ている。
僕が食糧の処理をする対価として、他者の恩恵を受ける。

そしてこの取引は、当然のものではない。
互いの合意によって初めて成立している。
その気になれば荷物全て占有することも可能なのに……それをしないのは、この合意が、提携が崩れるから。

これが社会。
感謝は、合意に対する対価、なのかもしれない。



そうそう、他の者のいた世界について聞いたんだが。
……サミュの故郷はどうなっているのやら。