■ 小鳥遊巡
一目見た時に「あ、コイツは同類だ」って思った。
見た目もだけど何か、背中が。
自分と似た家庭環境…って言うのはおこがましいか。生まれた性別間違えたみてーな面と一言も喋らない態度。
多分声聞かれたくねーんだろうなと思いながら、まぁガッコじゃ向こうから寄ってくるのもあって構ったりして。
オレは自分の声も面も好きにする事選んだけど、アイツは逆に自分の見た目も声も隠す方にしたんだろう。
同じベクトルなのに、やってる事は真逆な感じ。
だから親近感が沸いた。理解は出来るから。
多分愛に飢えてんのは同じなんだ。
自分のまま生きるのが苦しくて、開き直るかふさぎ込むかのどっちかで。
どっかに他人からの肯定がないと壊れちまう感じ。
だからアイツは好きって振舞う。オレもアイツを可愛い奴だって構う。
ま……単純にかわいいの好きなのもあるけどさ。
キツいよな。生きるの。
いつも冷てぇ気がする。熱が足りねぇ。
どこかから、誰かから熱を貰わねぇと凍えるんだ。
だから極端な方向に傾いて、心の天秤がいつも揺れてる。
オレは好き勝手する事にした。自分が責任取れる範囲で、自分の事だけは自分だけで決めるって。
オマエは優しいから、そうできなかったんだろ。
一度位、「知った事かよ」って言ってもいいんだぜ。
それが楽な道って訳でも、ねーけどさ。