■ 【未だ小舟は見えず。】
あぁ、この感覚はずいぶんと懐かしく感じる。
大将、あんたが俺らの国に来る前の日もこんな空気だった。
嵐だ。身を浮かすほどの突風。呼吸ができないほどの雨・・・
俺の国で起きてくれればこれほどうれしいことも無いだろうが
今生身の俺が喰らうのは好ましい事態ではないな。
時に、突飛な話だが嵐に飛び込んだら元の場所に帰れる
なんてことはないか?
・・・いやいや、疲れているな。俺も。
冗談だ、さすがにそれは・・・ハハ。
それならまだ嵐に乗じて大将が来てくれると考える方が現実味がある。
あン時みたいに、バカみたいな小舟をバカみてぇに漕いで・・・
・・・風向きはこっちか。あの雲はこっちに来るな?
途中で霧散するか逸れてくれるといいんだが・・・
時に心配なのはあのポンコツの嬢ちゃんだな。
・・・さすがに嵐に飲まれる前に拠点に避難するか。
・・・避難するよな??