■ 8.気配、雷雲
何事もなく144時間が経過、浜辺定期巡回をしていたときだった。
見渡す限り永遠と続く水平線の先に明らかに危険な雨雲が立ち込めている、大きさからして最悪の場合、大型台風級のそれは俺が志願した理由、
自然災害から手が届く範囲でいいから救うこと―
誰も、自分以外のことをみず他人とは指しあうモノそんな世の中で育ったから攻めて目の前に迫っている現実からここのみんなだけでも。

「みんな、無事だな。遠くにでかい雨雲が来ている。晴れているうちに建材を確保しておいてくれ。」
自然とそう、体と思いが動いていた。
多種多様な価値観をもつ世界から流れ着く特異性があるこの場所でそれぞれのことなど忘れて連携して備えにいそしんで、たった5日で人が人らしく暮らせる拠点を守る準備を整えた。
からっぽになった広く大きな倉庫、シマの材で思い付く限りで、作り上げたこれに被害が出るほどの雨ではないように願うことしかできない自分がここにいる。
上官たちのように強くなりたい―
まだ、雷雲は近づいていない。進路が変わってくれることを願う。
願うことしかできない―