■ ポラロイドカメラ

目覚めたら、隣に木の実とお湯が置かれていた。
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「........今までどうやって過ごしてきたの?」
「お腹空いたら森に木の実を探し、疲れたら小屋で寝るだけ。ここの森は食べられるもの結構あるんだよ」
少年のポジディブさに少し驚いた同時に励まされた。
「今度火を焚くことは私がやりましょう。危ないから。」
子供にこんな危険なことを任せてはいけない。少年は不満そうな顔したが彼女は無視した。
「そういえば、君の名前は?」
色々なことがありすぎて、まだ少年の名前を知らないことを思い出した。彼女はクッションを縫いながら尋ねた。


「うん~~…空太だよ。」
少年の返事は何故躊躇っていた。彼女は追及しなかった。
少年も彼女の名前を聞かなかった。
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退屈だからか、彼らは小屋の中の物を調べ始めた。

小屋は雑然としていたが、物は揃っていた。暇つぶしに作ったような尖った石ころが隅に積まれていた。
それ以外の鋭利なものや刃物もたくさんあった。どれもかなり放置されたようで錆びついていた。

ある箱の中に手作りの服や貝のネックレスを見つけた。埃っぽいガラクタの山の中にメガホンとクラッカーも見つけた。
……小屋にある物は殆どボロボロで使えなくなっている。
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部屋の隅にあるドラム缶の中にたくさんのポラロイドカメラと写真が入っていた。どれも違う人の写真だがこの小屋の主ではなさそうだ。
小屋の主はこれらの写真を撮った人かもしれない。
「カメラ全部使えなくなっちゃって残念だけど、写真はそんなに劣化していないようだね。」
「きっと、昔この島にいた人達なんだろうね。みんな救助されたに違いないよ!」

写真に写っている人の多くは彼女と同世代で、一番年上に見える金髪の男も三十歳ぐらいしかない。
……しかしこれらの写真に、彼女はなぜか違和感を感じた。写真の中の人物は誰もカメラを見ていない。