Eno.14 小鳥遊 軍曹

■ 9.備え、苛立ち

一昔前は、こう大きな台風や長時間豪雨が予想される場合、甚大な被害が出ると予測される地域の住人に対して避難勧告がだされ指定された、地形や口承によって導きだされた安全な場所に避難して過ぎ去るのを耐えていたそうだ。
この島では、拠点を拵えた森林の開けた場所が該当する。

 実際にその方針に基づいて行動してみると、[それ]が来ないことに対する苛立ちと不安に押しつぶされるもんだな。

 見渡す限り永遠と続く水平線の先に見える雷雲は少しずつここの上空に向かって勢力をつけながら進んでいるのを確認し、出来る限りの資材確保を行う―
岩場に大量に打ち上げられたサメ、それが更なる危機のきっかけにつながらないことを願うしかない。

 耐えるんだ、やりきればきっと今よりずっと先に進める。