Eno.334 アップルミント

■ 茹でられると死ぬ!


『フロ』というものを勘で作ってみる。
多分良い感じだったようで、イチョウが使ってみせてくれた。

ずっとニンゲンは茹でられても死なないなんて不思議だったけれど、どうやら茹でられると流石に死ぬらしい。
ぬるめの水が丁度良いそうだ。おかしいとは思ってたんだよな……。

イチョウは『サケ』も好きらしい。確かニンゲンが好んで飲んでいた水の筈だ。
やっぱり、オレ達の体には悪いから飲めないけれど。



無くても生きていけるけど、あると嬉しい。
……ニンゲンはそういうものが多い。
オレは水があって、土があって、光があればそれでいい。
それに加えて、お洒落ができたら満足だ。

恐らくだけれど───
きっとオレ達は、進化する上で様々な〝人間らしさ〟を捨てていったのだろう。
それが良いか悪いかはわからない。
捨てた結果が、あの平和な日常かもしれないのだし。







無知とは幸いである。
足りない今を知覚することさえ、できないのだから。