Eno.61 碧きワダツミの兄妹

■ ~番外~

――何処か、海の上にて。



* * * * *



――後方に、暗い雲が迫ってきている。

まだ妹が見つかっていないというに、嵐が近づいてきているらしい。



ずっと、休みなく泳ぎ続けてきた。

躰が悲鳴をあげようと、限界をとうに越えていようと、逸れてしまった妹を見つけなければ、と。

だと、いうのに。



腕が、躰が、思考が、もう。

禄に、働かなくなってきて……



嗚呼、我らが神祖……

星映す海鏡の大神、ディオスメールよ……

私は……



エスティ……どうか、無事で……







(前方から迫る船に気付けぬまま、私は意識を手放した)