Eno.451 マギサ

■ 嵐に備えて

人魚の小娘……エスティの容態も、ひとまずは安定したようじゃ。

さて、今度は雲行きが怪しくなってきたと言う。
それは、今までに無かった傾向。恐らく、〝嵐〟が来る
……エスティの一連の騒ぎが、後もう少し遅かったら。
窯を作ろうか考えていた時に、後回しにしていたら。
今頃、嵐に備えるどころでは無くなっていただろう。

少しばかり無茶をして、野生の畜生に二度も襲われたりしたが、どうにか材料をかき集め、嵐が来る前に頑強な壁を構築する事ができた。
エスティが薪割りをしてくれなければ木材が足りなかったからね、今回ばかりは本当に助かった。

他の遭難者たちが各々備えてきた食料の中で、焼けそうなものは焼いておく。
いざという時は、半分に分けてでも食料や飲み水を行き渡らせるように伝えておくかねぇ。
などと考えていたが、ふと、エスティが少し弱っているように見えたので、偶然を装って食料を少し分け与えてやった。

エスティは、陸の食べ物を食べる度に驚いたり固まったりする。
今まで海の中で生きてきて、或いは知識では知っているのかもしれないが、実際に見て食べる機会がほぼほぼ無かったんだろうね。
今後、森林で狩猟できそうな時は狩猟して、陸の生き物の肉も備えようか。

魚を取る方が比較的安定していそうだが、人魚の小娘に魚を与えるのは、

………………流石に外道が過ぎるから、やめておくとしよう。