Eno.334 アップルミント

■ それは淘汰であるか

 

「……これで貴方の実を啄む方は減るでしょう」


枝の多い樹木に登り、同族となった彼と語らう。
鳥に啄まれた果実は、今後減っていく筈だ。

この海一帯は、突然見たことも無い鳥が渡ってくるらしい。
少し前から現れるようになった海鳥の群れは、丸い木の実ばかりを狙っていると言う。

そうしている内に、件の群れがやって来る──が、止まるや否や、直ぐに飛び立って行った。
……これなら大丈夫そうだ。

「いいえ、大したことはしてませんから」


同族となった今、意思の疎通を阻むものは何もない。

こうして平和が作られていった、と言い伝えられている。
通じ合い、分かり合い、欲さない。
たったこれだけで、みんなが幸せになれた。

ニンゲンは、どうしてそれができなかったんだろう?








「……そうだ、お聞きしたいことがあるんです。
 この島で1番長く立っている方をご存知ですか?」