■ 触れてはいけない記録

アヤノちゃんはキャリーバックが私のものだと知っていた

(どうして?)

それは遡ること数時間前
嵐が迫る中、アヤノちゃんと私も拠点へ移動することになって
みんなと一緒に眠るのは初めてで そわそわしていたのかもしれない
拠点を見回しているとアヤノちゃんが話しかけてくれた
昨夜みんなで交わしあった自己紹介のこと
様々な種族、時代の人がこの島に集まっていること
中には未来から来た人もいて…もしかすると私も違う時代からやってきた異人なのかもしれないね、と…何気ない会話のつもりだったのに
『お姉さんのごろごろ……の鞄も、私の時代のものに似ています』


(どうして<それ>が私のものだと知っているの?)
いつ分かったんだろう
自分が倒れていた時に一緒に流れついていた?それとも…

(あの中に、私のものだとわかるものでも入っていたの…?
だとしたら名前の入ったタグのことくらい気付くわよね?)
わからない
でも真実を知るには心の準備が出来ていない
こんなことに怯えるくらいなら

『あんな鞄<もの>、なくなってしまえばいいのに』