■ 《31: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 海の国》
雨はどんどん強まっていて、外も暗くなってきている。
風が出るまでは木を採りに行こうと思う。……嵐が行った後のことも、考えないと。どうせ色々壊されてしまうだろうし。
……私がどうやってこの島に来たのかはまだわからないけれど、もしどこかから流されたのだとしたら、ここから見える海はオルタナリアともつながっているのだろうか。
いや、それはないかもしれない……もしそうなら、ウミの国の冒険者がどこかしらからやってくるはずだ。
海中に住まうウミの国の者たちの行動範囲は広く、家を持たない者や、あるいは海獣に動く家をひかせているような者も少なくない。
そして、今のように嵐が起これば、流された人や転覆した船がないか探しに行く……親切な者は。
もっともそれはどちらかというと海軍の仕事だ……ウミの国の海軍は強い。
かつての侵略戦争もあり、世間は未だに厳しい目を向けたりもするけど、それでもオルタナリアの海の安全は彼らなしではとても守りきれないだろう。
そういえば海軍にすごく憧れていた子がいた……ああ、タルタ・カレッタだ。亀の子の……
……勇者の、仲間でもあった。臆病なところもあるけど、芯は強くて……
思い出してくる……勇者たちには、それぞれの国からたくさんの仲間が集っていた。
シールゥ、ネリー、タルタ、ワサビ、セオヨギ、クリエ、リヴォット……そして、私……
……もうひとり、いたはずだ。