■ とりとめもないこと
うちらが漂流してから四日目になった。
空やんが言ってた嵐への備えをしているなか、
ナナミンがガス抜きのための宴会を開いたりと、
毎日が騒がしいのはこのクラスメイトたちだからだろうか。
水面に映った自分を見る。
黄色と赤に染めた髪はひどく歪だ。
そして肌も似合わない焼けっぷり。
小中と地味だったのが嫌で、
高校デビューで当時流行ってたガングロで派手なファンションへとした。
でも見た目を変えても何にも楽しくなんてなかったな。
だって好きじゃないし、やりたくてやったわけじゃない。
ただただ、地味な自分が嫌だからやったことだ。
ロックじゃない、全然ロックじゃないなって思う。
うちがやりたいことってなんだったんだろう。
周りに愛想良くして目立ちたいのかな、
そんなんやっても疲れるだけって知ってるのに。
…………ナナミンの歌が好きだ。
でもそれは、好きなだけ。
うちのやりたいことには、なんにもつながらない。
ナナミンは……不思議な子だなって思う。
あんなやりたいことに正直で好きにまっすぐで、
周りなんて関係ないって生き方、憧れるなって。
うちはずっと周りの目を気にしてた。
周りから見えるだろう自分を気にしてた。
だから、こんな見た目にしてしまった、望んでもないのに。
なら、うちが望むことってなんだろ。
みなを、助けたい。
そのために倉庫の整理や、風呂の掃除、
ほかにも細々としたことをできる限りやってる。
自己満足、かもしれないけどそういったことをしてるときは、
頭空っぽにして前向きになれてた気がする。
嫌なことだって忘れていられるから。
でもそれは、今のうちだけ。
みなと一緒に帰れたとき、うちはそのままでいいのだろうか。
白紙の進路希望に、何が書けるのだろう。